小満(しょうまん)とは、二十四節気の一つで、立夏と芒種(ぼうしゅ)の間に位置する時期のことだ。例年、5月21日頃から6月5日頃にあたる。この頃になると、秋にまいた麦の穂が育ち、ようやく実り始める、つまり「ほっと一安心」できる時期であることから、「小さく満ちる」という意味で小満と名付けられたと言われている。
また、この時期は、それまで小さかった動植物が次第に生長し、あらゆるものが天地に満ち始める頃でもある。陽気が増し、地中の虫が地上に出てきたり、紅花(べにばな)が咲き始めたりと、生命の息吹が感じられる季節なのだ。
地域によっては、夏に向けての農作業が本格化し、田植えの準備や麦の収穫が始まるなど、人々にとっては忙しくも、実りへの期待が高まる時期だ。梅雨入り前の過ごしやすい晴天が続くことも多いが、一方で、南から湿った空気が流れ込みやすくなるため、雷雨など突発的な天候の変化にも注意が必要な時期でもある。
小満は、本格的な夏の到来を前に、自然が様々な恵みを「小さく満たし始める」準備期間であり、生命の活力が満ち溢れる季節の節目なのだ。

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