亜熱帯高気圧とは、地球の大気大循環によって形成される、緯度30度付近に位置する背の高い温暖な高気圧のことである。これは南北両半球にほぼ一年中存在し、特に夏の海洋上で勢力を強める特徴がある。例えば、日本に夏をもたらす太平洋高気圧も、この亜熱帯高気圧の一つだ。
その発生メカニズムは、赤道付近で暖められた空気が上昇し、上空で極方向へ移動した後、緯度30度付近で冷やされ、下降する「ハドレー循環」という大規模な大気の流れによって説明できる。この下降気流が地表に到達することで、空気が圧縮され、高気圧が形成されるのだ。そのため、亜熱帯高気圧の中心付近は下降気流が卓越しており、雲ができにくく、晴れて乾燥した天候となることが多い。世界の主要な砂漠地帯の多くが、この亜熱帯高気圧の影響を受けて形成されているのはそのためだ。
また、亜熱帯高気圧の南側には東寄りの風である貿易風が吹き、北側には西寄りの風である偏西風が吹くなど、地球規模の風の流れにも大きな影響を与えている。これらの高気圧は、地球の気候形成において非常に重要な役割を担っていると言える。
亜熱帯高気圧
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