秋の日本列島の気候の特徴

秋の日本列島の気候は、夏の太平洋高気圧が次第に勢力を弱め、大陸からの移動性高気圧と温帯低気圧が交互に日本付近を通過することで特徴づけられる。このため、晴れた日と雨の日が数日の周期で繰り返され、夏のような蒸し暑さは徐々に和らぎ、過ごしやすい日が多くなる。
9月にはまだ残暑が厳しく、台風の接近・上陸も多い時期である。特に、発達した台風は広範囲にわたって強風、大雨、高潮、高波などの甚大な被害をもたらすことがある。しかし、月の半ばを過ぎると、次第に秋雨前線が停滞しやすくなり、長雨となる期間がある。
10月に入ると、移動性高気圧に覆われることが多くなり、秋晴れの穏やかな天気が続く。空気は乾燥し、朝晩は冷え込むようになるが、日中は快適な陽気である。この時期は「天高く馬肥ゆる秋」という言葉が示すように、澄んだ青空が広がり、紅葉が始まる地域も多い。
11月になると、大陸からの寒気が流れ込みやすくなり、北日本や日本海側では次第に冬の気配が強まる。初雪が観測される地域もあり、気温の低下とともに季節は冬へと移り変わっていく。全体として、日本の秋は、残暑から始まり、台風の脅威を乗り越え、爽やかな秋晴れを経て、冬へと向かう、変化に富んだ季節である。