シベリア高気圧は、冬の時期にユーラシア大陸のシベリア地方を中心に形成される、冷たくて重い空気の塊(気圧の高い領域)のことです。日本の冬の天候を決定づける、非常に重要な要素となっています。
主な特徴と日本への影響は以下の通りです。
- 形成の仕組み
冬の大陸は、地表面の熱が宇宙へ逃げていく「放射冷却」によって、温度が極端に低くなります。冷やされた空気は密度が増して重くなり、地表付近にどんどん溜まっていきます。この「重い空気の蓄積」がシベリア高気圧の正体です。この高気圧は上空まで厚みがあるわけではなく、地上から数キロメートル程度の下層部で発達するのが特徴です。 - 西高東低の気圧配置
シベリア高気圧が大陸で発達し、一方で北太平洋(アリューシャン列島付近)で低気圧が発達すると、日本周辺は「西に高気圧、東に低気圧」という、いわゆる「西高東低」の気圧配置になります。この東西の気圧差が大きくなるほど、日本付近に吹き込む風は強くなります。 - 北西の季節風と降雪
シベリア高気圧からは、冷たく乾燥した空気が時計回りに吹き出しています。この空気が日本海を渡る際、海面からの水蒸気と熱をたっぷり補給して、雪雲へと発達します。この雲が日本海側に大雪をもたらし、一方で山脈を越えた太平洋側には、乾燥した晴天(からっ風)をもたらすのです。 - 勢力の変動と寒波
シベリア高気圧の勢力は常に一定ではなく、数日から数週間単位で強まったり弱まったりしています。このリズムが、日本にやってくる「寒波」の周期を作り出しています。勢力が非常に強まると、ふだんは温かい西日本や沖縄付近まで記録的な冷え込みになることもあります。
シベリア高気圧は、まさに「日本の冬の主役」とも言える存在です。


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