付属海について
付属海とは、地球の主要な大洋(太平洋、大西洋、インド洋など)に付属する形で存在する海域のことだ。これらは、大陸や島々によって大洋から部分的に隔てられているのが特徴である。付属海は、その地理的な形態や大洋との接続の仕方によって、さらに「地中海」と「縁海」の二種類に大別できる。
地中海(閉じ込められた海)
地中海は、周囲を陸地に大きく囲まれているものの、狭い海峡などを通じて大洋と繋がっている海を指す。例えば、ヨーロッパとアフリカ、アジアに挟まれた地中海(Mediterranean Sea)や、日本列島とユーラシア大陸に囲まれた日本海、あるいは北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の間にあるカリブ海などがこれに該当する。これらの海は、大洋からの水の流入が限られているため、独自の気候や水温、塩分濃度を持ち、大洋とは異なる独自の海洋生態系が育まれていることが多い。また、歴史的にも交通の要衝となり、文化交流や貿易の舞台となってきた場所が多い。
縁海(大陸の縁の海)
一方、縁海は、大陸の縁に沿って広がる海域で、多くの場合、列島や半島、あるいは海底の地形(海嶺など)によって大洋から部分的に区切られている海を指す。東シナ海やオホーツク海、ベーリング海などが代表的な例である。縁海は、大陸棚と呼ばれる比較的浅い海域が広がり、大陸からの河川水や栄養塩の供給が多いため、豊かな漁場となっていることが多い。また、その広がり方から、大洋の気象現象の影響を受けやすく、季節風や海流の影響を強く受ける傾向がある。
このように、付属海はそれぞれが異なる特性を持ちながらも、大洋と密接に連携し、地球の複雑な海洋システムの一部を構成しているのだ。

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